量子計算理論(森前 著) の演習問題を解く part8
こんにちは。Kumaです。
最近、量子コンピュータについて勉強しています。
今回は有名な以下の本の演習問題について、解答が載っていないので一部書いてみたいとおもいます。
量子計算理論 量子コンピュータの原理 | 森北出版株式会社
本書の勉強会が大阪で開催されているそうです。
演習問題の解答も一部公開中です。(私の我流よりも少し見通しの良い解き方になっていますね)
大阪近郊の方はぜひ参加してみてください。
sites.google.com
今回はpp.39- です。
pp.39 複素係数表示と実係数表示
複素係数表示におけるゲートは実係数表示においては
を作用させることによりシミュレートできることを示せ。
ここで、複素係数表示(2量子ビット)は
であり、実係数表示(2量子ビット+1量子ビット)は、 として
で定義される。
さらにはトフォリゲート(CCXゲート)、 はコントロールUゲート、HはHadamrdゲートであり
である。
- 解答
まずについて
により、
と定義する。
ここで
よって、
となる。
ここで、
よって
最後にを作用させると、
元の状態 と比較すると、に相当する量子状態(制御ビットが1かつ標的ビットが1)の項だけが と回転した状態に移されている。
すなわち複素数表示において ゲートを作用させたことに他ならない。
*1
今回はここまで。
*1:回転ゲートは、 のみを回転させるゲートであることに注意しよう。 その制御ゲートversionなので、制御ビットが1のときだけが作用することになる。 結果として だけが回転する。