私の量子コンピュータ史

この記事は量子コンピュータ Advent Calendar 2020の12/1ぶんです。
qiita.com


こんにちは。Kumaです。
この記事では「私の量子コンピュータ史」を書いてみたいと思います。*1

量子コンピュータに出会うきっかけ

私が量子コンピュータの勉強やプログラミングをやろうと思ったきっかけは、
趣味で参加した 日曜数学会 というイベントでした。
このイベントの第12回目が2018年6月に開かれました。
そこで、私は衝撃を受けるのです!
www.nicovideo.jp

こちらの発表は @snuffkin さんによるもので、量子フーリエ変換の解説になります。
まず、量子コンピュータ個人でプログラミングできるということに大変驚きました。
痺れました。
発表後の懇親会タイムで、すぐに@snuffkin さんに声をかけてお話を伺いました。

@snuffkin さんによると、もし興味があるのであれば、紹介したい人がいる とのことでした。
そこで出会ったのが @kyamaz さんでした。
@kyamaz さんは、OpenQL という量子コンピュータのライブラリ等のオープン開発プロジェクトを主催している方です。
openql.connpass.com

OpenQL は勉強会もやっており、ぜひ一度見に来てくださいとお誘いを頂きました。

この出会いは非常に幸運だったと思います。
量子コンピュータのプログラミングをやりたいと思ったその場で、勉強するきっかけを作ることが出来ました。
大学で量子力学を独学で身につけた*2自分にとって、これはその腕を振るうまたとないチャンスだと思いました。

OpenQL 勉強会

OpenQL 勉強会 では、@kyamaz さんが基本的な部分をイントロしてくださるので、ここで概要が一気に掴めました。
特に、量子コンピュータの理想と現状の差は大きいこと、多様な分野の専門家が参加している(参加する必要がある)こともわかりました。
OpenQL勉強会では、聴講だけでなく、ライトニングトーク(LT)も何度かやらせていただきました。
勉強するモチベーションとして、「まとめてアウトプットする」は必須な作業なので、OpenQLの存在は非常に大きかったです。
この勉強会では、ゲートの他にもアニーリングなども聴講できるので、とにかく勉強になりました。
アニーリングをやっている人に色々聞けたことは大きかったですね。
また、 @Ayumu_walker さんがQiskit adovocateや Qiskit camp の話をしていて、これも大変おもしろかったです。*3
qiskit.org

他にも、コミケに参加して量子コンピュータの解説本を買いあさりました。
なお、@snuffkin さんは本も書かれています。なんでも出来るなこの人!
booth.pm

日曜数学会へのフィードバック

量子コンピュータを少しずつ勉強していくと、基本的な部分は理解できるようになりました。
しかし、一般人が「量子コンピュータをやっている人に量子コンピュータの話を聞く機会」は、どれぐらいあるでしょうか?
ほとんどないのでは?と思った私は、「自分が理解した範囲の量子コンピュータの話を、原点である 数学会 にフィードバックしたらみんなどんな反応をするのだろう?」と考えました。
まさに @snuffkin さん をリスペクトすることにしたのです。

実はわたしは、友人数人と 日曜数学会(東京)の分会である 関西日曜数学友の会 を主催しております。
ちょうど第3回の招待講演者を探していたところだったので、
私の一存(ゴリ押し)で、OpenQLの @kyamazさんを招待講演者として召喚しました!
職権乱用!

techplay.jp

私も、量子コンピュータの基礎的な部分をLTしました。
Q&Aも大いに盛り上がり、量子コンピュータへの関心の高さ(しかし敷居が高いのでなかなか情報が得られないもどかしさ)が伺えました。
感触を掴んだ私は、本腰を入れて量子コンピュータの勉強をやろうと考え、ニールセンを購入しました。*4
www.amazon.co.jp


最近の日曜数学会(東京)でも、量子ゲートの話をしました。*5
非常に基本的な部分ではありますが。
www.nicovideo.jp
electrodynamics.hatenablog.com

今後も、工夫をこらして量子コンピュータの話題をねじ込んでいこうと思います。

今の話

今も基礎的な部分の勉強を続けています。
最近はqiskitなどを使いながら、実機実行も含めてちまちまやっています。
本業の傍らなので進みは遅いですが、気長にやっていくつもりです。
なにか量子コンピュータの進展に貢献できる・・・かはわかりませんが、まずは楽しむことを頑張ろうと思います。

以上、私の量子コンピュータ史でした。
良いお年を。

*1:量子コンピュータはいろいろなバックグラウンドを持つ(かつ、新しいものに興味がある)方が参加されていると思うので、 他の方の話も聞いてみたいですね。

*2:身につけた、といっても、基本が分かる程度ではありますが。

*3:"時を巻き戻すアルゴリズム"" というキャッチーなタイトルのLTもありました。ネーミングすこ。

*4:このあたりで、量子コンピュータでは量子情報理論、特に誤り訂正符号が非常に重要なことを知りました。たまたま本業で情報理論や誤り訂正符号を少しだけやったことのあった私は、運命のめぐり合わせを感じたのです。勉強することは山程ありますが。

*5:発表中に、娘が泣いていたので音声が入ってしまっています。子育てパパでも量子プログラミングは出来るよ!