射影演算子のパウリ行列展開
こんにちは。Kumaです。
この記事では射影演算子のパウリ行列展開を紹介します。
ざっくりいうと、複素数ベクトルを実数のベクトルに埋め込む方法になっています。
エルミート行列のパウリ行列展開
2x2エルミート行列は、パウリ行列 と単位行列 の結合で書くことができます。
ここで はすべて実数であって次の式を満たします。
これは以前の記事で証明しています。
electrodynamics.hatenablog.com
複素ベクトル同士の内積と外積
天下り的ですが、いま二成分の複素ベクトル2つを考えます。
さらに、「内積」を定義します。(片方に複素共役を取る以外はふつうのベクトルの内積ですね)
ふたつのベクトルから複素数1つを作り出します。
更に「外積」というものを定義します。
ふたつのベクトルから行列1つを作り出します。
同じベクトル同士の内積をとったとき、それをその複素ベクトルのノルム(の二乗)といいます。
同様に、同じベクトル同士の外積をとったとき、それをその複素ベクトル方向への射影演算子といいます。
(特に、ノルムが1のベクトル同士の場合にいいます)
なぜ同じベクトル同士の外積を射影演算子と呼ぶのでしょうか?確かに行列はベクトルに作用する”演算子”ですが・・・
この理由は読者の練習問題ということで。。